【水出しコーヒーを作るときに軟水と硬水を使うことによる違い】
水出しコーヒーの抽出液の99%は水です。
ということは、その元となる水が美味しくなければそのコーヒーも美味しく出来上がりません。
自宅で抽出するコーヒーには、水道水を一度沸騰させて塩素とカルキ臭を抜いた湯冷ましが最適です。
しかし、普通に飲んで美味しい水が水出しコーヒーに最適というわけではありません。
それは水に含まれるミネラル分が、水出しコーヒーの味覚・味に大きな影響を及ぼすからなのです。
世界における飲料水(水道や地下水)を大きく分けると軟水、硬水の二つがあります。
日本の水道水の多くは軟水、アメリカ大陸やヨーロッパでは地域にも寄りますがおおよそが硬水、ベトナムやカンボジアは軟水が多い傾向にあります。
水の硬度は、そこに含まれるカルシウム、マグネシウムのイオンの量を炭酸カルシウムに換算し、水1Lに対する含有量で決まります。硬水はミネラル分が豊富なためコーヒーの成分が出にくくなり、マグネシウムの影響により苦味が強く出ます。
軟水はミネラル分が少ないため、そのコーヒー豆の持ち味をそのまま遺憾なく発揮してくれます。
水出しコーヒーは水を使ってコーヒー成分を抽出しますので、低温度による成分溶解性も低く、コーヒー特有の苦味や渋味成分、そして油分が抽出されにくいです。そのため、濃厚なのに苦味の少ないまろやかな上品な味が出来上がります。
また、低温による抽出は水中酸素による味の劣化を遅らせるため、ホットに比べ美味しさが少し長持ちします。
水出しコーヒーを作るときの理想は、出来るだけ冷やした軟水ミネラルウォーター、もしくは日本の水道水を浄水器に通したり一度沸騰させて出来るだけ冷まし冷水にしたものを使用することです。